(5冊目)「未来の学び」をデザインする
きっかけ
地方と東京間に歴然と存在する
- 機会
- ふれあい
- 情熱
- 情報
の絶対量と流れの活発さの格差をどうにかしてやりたいと考えたとき、いろいろ考えて(今回は中略)教育しかない!とい考えている。自ら機会を作り、人とふれあい、情熱を共有し、その中にある様々な種の情報の存在を感じ取り、その中からそれを引き出し、そして新たに作り出すことが出来るか。そんな態度を身につけて行かなくちゃいけない。
何で「教育」かっていうと、そういう態度は脳みそふにゃふにゃの子供のうちじゃないと身につきにくいだろうから。そして、いわゆる「教育」の期間を過ぎて大学に入る頃には、その態度を充分に使いこなせなければならないから。
現在の教育で顕著な「知識を渡す」形式の学習を、教師が主眼において教育を行っていても、情報にあふれかえってる現在においては過去に期待できていたほどの(社会的背景を踏まえた意味での)成果を挙げられないだろう。
- 作者: 美馬のゆり,山内祐平
- 出版社/メーカー: 東京大学出版会
- 発売日: 2005/04
- メディア: 単行本
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学習環境デザイン論
情報学環で「学習環境デザイン論」という講義を履修しているのだけど、この本はその参考図書として提示されているもの。著者は講義をしている東大情報学環の山内祐平先生と、その同僚のはこだて未来大学教授、美馬のゆり先生。学習環境をデザインするって、なんとえらそーな!と思って受講してみている。
本書では学習環境をデザインするために着眼すべき要素として
- 空間
- 活動
- 共同体
を挙げている。
- 学習の生起するような活動のアイディアをつくり、
- その活動を支え促進する空間を用意し、
- モチベーションを維持し将来に続けるために共同体を形成する。
その中では各人が自ずと学びを起こす、というのが本書の主眼。章ごとに上記要素を具体的事例を挙げながら解説してくれる。一番始めに挙げた
- 機会
- ふれあい
- 情熱
- 情報
は僕が適当に並べたワードだが、見事に上記の内容で説明されてしまったと感じた。非常に明確で、かつ具体的でわかりやすい。読みながら逐一すげー納得させられた。
空間
特に自分の研究に関わるという点で、空間だけ挙げておく。
ここで言う空間とは、適宜配置を換えられる机やホワイトボードを使うことだったり、中で活動する人々の見通しの良くなるようにガラスで空間を仕切ることだったり、実習授業などの際に、講義に直接関係のない人でもそこにふれあい、新しいアイディアや交流が生まれるようなオープンなスペースを作るってこと。主にMIT media labとはこだて未来大学を事例に挙げている。上はそのはこだて未来大学。オープンなスペースに机が並んでおり、仕切られた部屋もガラスで見通し良くなっていることがわかる。
講義を受け始めるときに山内先生にも言われたのだけど、こういう話を読んだり聞いたりしていると、やはり「直接、同じ空間で」が非常に有効で有力だってことを強く感じさせられる。うーん、、VR的技術でどうにかしてやりたいと思ってるんだけどなぁ。。。。
とても読みやすい本だった。講義はまだ3回なので、これからが楽しみ。