なぜHMDにレンズが必要か(虚像を描く場所に距離を持たせる必要があるか)について。
そのままでは映る映像が近すぎて、輻輳による距離情報と水晶体の調節から得られる距離情報に齟齬が生じるため、いくら本物と同じようにつくられた映像でも単なるミニチュアの模型のように見えてしまい、正確な距離感と大きさをもった実際のような光景にはならない。そこで、表示画面と眼の間に凸レンズを置いて、視角を変えずに提示距離をちょうど一メートルから二メートル程度に変換する。すると焦点調節による距離情報があまり効果をもたないような状況になる。こうして焦点調節との齟齬がなくなり輻輳情報と視角とで物の大きさと距離が規定されるので、実際と同じ距離感と大きさの感覚をもった三次元の光景が得られるのである。
「バーチャルリアリティ入門」 舘すすむ 先生 より
- 作者: 舘ススム
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2002/10
- メディア: 新書
- クリック: 24回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
これを考えるとやっぱ気になるのはkickstarterのあれ。