デザイン - 直感的でないものを直感的にする
直感や慣習に任せていると、自然発生的なスピード・可能性でしか物事が進展しない。また、慣習の敷居に可能性が負けてしまう。科学は整然とした理論を持って直感や慣習を排することで、可能性の敷居を超え、スピードを上げる。
しかし科学は「そうであるはずだからそうする」という情熱を持ちながら努力を続けないと実効的な成果が上がらないことが多い。限られた人々の中だけでもてはやされるものになりがちで続かない。それはしばしば、直感や慣習に反していることがあるからである。言い換えると、多くの人によって・無意識に・継続的に体験を続けるために、直感や慣習は大きな駆動力となる。
科学を社会に着地させる際に、それが人々の直感や慣習にあっていれば、可能性の敷居を超えながら、スピードも早く、しかし自然発生的に多くの人に伝播し継続される。こういうことを可能にするのが「デザイン」の仕事なのかなーと思う。
人や社会のことを知り、直感的でないものを直感的にすること。新しい慣習を創ること。科学と人の接点にあり敷居をまたぐ助けとなるもの。僕の思うデザインってそういうもの。
触り心地や佇まいの観点から「そこにあること、手に触れること」の継続価値を最大化するデザイン、の話もあるけど、本文をシンプルにしたかったのでここでは割愛。