iPhoneを一月半ほど使ってみて
身近にiPhoneユーザがほとんどいなかったため、ほぼ 100% 自力で使い方を習得してきたiPhoneですが、使い始めて一月半ほどたったところで感想文を書いてみようと思います。
コンピュータとして
新しい研究室に入るに当たって、久しぶりにノーマン先生の著作人を賢くする道具―ソフト・テクノロジーの心理学 (新曜社認知科学選書)を読んでいるのですが、その中で「人はアーティファクト(道具)を用いてより難度の高い内省的思考を行う動物である」と語られています。iPhoneはそれを強力にサポートする現時点で最新のアーティファクトであると「期待」して、購入を決めました。
- 即座に何枚でも取り出せるメモ紙と、なくさないインクの切れてしまわないペン
- 何でも調べられる書物
- 上記のものたちを貯めておく貯蔵庫への通り道
突き詰めていくと、このコンピュータの機能は上記3点にまとめられると思います。もう少し具体的に書き直すと
- ブログ、todo管理ソフト、twitter、mixi(ライタとして)、ノーマルなメモ
- wikipedia、天気予報、ニュース、mixi(リーダとして)、amazon
- 上記の情報を運び、貯めておくメディアとしてのインターネットに常につながること
もちろんこれだけなら、既存の日本の携帯電話でもできることばかりですが、iPhoneの場合「デザイン」に意識を持った一般のユーザが自らデベロッパにもなり、ユーザの感覚からソフトウェアをデザインし、さらにフィードバックをかけるシステムができあがっていることが最大のポイントです。より汎化する方向に進めると、上記の内容はすべて「ブラウザ」でできてしまうのですが、iPhoneはそれ自体が「汎化したメディア」であり、その上で動く個々のソフトウェアたちが、扱う情報、ユーザの使用スタイルや目的にあわせてデザインされています。そこが、他のモバイル端末ではこれまで一切実現していなかったブレイクスルーです。
そゆわけで僕は、有料であっても良いと考えられるアプリについては、積極的に購入して使用するようにしています。おかげですげー楽しい。写真は現在の僕のiPhoneのトップ。
携帯電話として
正直、そんな使いやすいわけではありません。コンピュータになんか電話がついてた〜 くらいの感覚です。ただ、電話がついているが故に携帯電話キャリアが扱う対象となり、その結果として常時パケット通信のできる端末となっているということだと思います。
全然iPhoneに限った話ではないのですが、最近ハンズフリーのイヤフォンマイクをよく使用しています。iPhone付属なので残念なことに、よく見るあの白いイヤフォンなのですが、iPhone用のものには首のあたりにマイクが内蔵されたユニットがついていて、そのユニットのボタンで電話の受け取りや、音楽の再生、停止のコントロールもできます。
全画面タッチパネルのインタフェイスについて
狭いっす。QWERTYキーボードにしたときの打ち間違えやすさはハンパナイっす。
いまは、日本の携帯入力に、iPhoneのフリック動作(画面上で指をスライドさせる)を組み合わせた、画像のような入力系を使っています。「ま」の位置で指を止めると、上下左右に「み・む・め・も」が選べるように出現する、というもの。これだと、指の置きミスがかなり減り、最近では結構スピーディに入力できるようになっています。
困ったこと
iPodとして
ほっとんど使ってません。iPod Classic 60GBとiPhoneを常に両方持っています。
でも、先述のイヤフォンマイクを使うようになってから、電話が終わるとすぐに音楽が流れ始める、という感じが好きで、ちょいちょいiPodとして使い始めました。iTunesに、for iPhoneというプレイリストを設定して、それだけiPhoneに送るようにしています。
今後の進化を願って
なぜWindows Mobileでそこまで盛り上がらないのにiPhoneで盛り上がるのかは、明確に「これ」と言い切れませんが、理由の一つは間違いなく「ファッション性」でしょう。コンピュータは以前とは異なり、より多くの一般的なユーザが気軽に使用するものになりつつあります。機能ありきで発展してきた衣服や鞄、靴のたぐいが今ではファッション性メインで語られるように、コンピュータもファッション性が非常に大きな要素をしめるようになってきているのは間違いありません。
そして、ルイヴィトンやグッチのどこがおしゃれなのかを明確に指摘できないのと同様に、iPhoneも「なぜか」おしゃれにとらえられています。そこはおそらく、他社にはまねできないものなのでしょう。
すでにAppleから「宣言」がなされているよう、アプリケーションへのデータのプッシュ配信、テキストデータのコピペなど本来とっくに実現してなければならない機能が、夏には実現されます。それを経て、年中には正真正銘の最強モバイル端末になっていることでしょう。期待します。