LEXUSのリモートタッチコントローラに感動した
リモートタッチコントローラとは
2009年に発表された、レクサスに搭載されているドライバー手元のコントローラ。
当時のプレスリリースから抜粋します
ナビゲーションやオーディオ、エアコンなどの操作を、ドライバーの手元で行うことを可能としたリモートタッチコントローラ
操作ノブは、センターコンソール上方の奥にある表示ディスプレイ上のポインタと連動しており、パソコンのマウスと同様な感覚でポインタを上下左右に自在に動かすことができます。
ここまでだと割と普通です。絶対座標で指すマウス、みたいな感じでしょうか。さらにこのように続きます
コントローラにはモータが組み込まれており、ポインタを画面上の狙ったボタン方向へ動かしていくと、 モータから発生する動力によってポインタがボタンに引き寄せられ 、その感覚が指先に伝わります。
ここがポイントです。一見「可動範囲の決まったマウス」のようなのですが、コントローラがGUIボタンに対して「力を持って」吸い付きます。GUI上のカーソルがGUI上のボタンに吸い付くだけでは無く、それと同期してコントローラのハンドルが動きます。
実際使ってみて
LEXUSを運転する機会があったので実際に使ってみました。良いなーと思ったところを挙げていきます
絶対座標コントロールによるダイレクト感
マウスは非常に優れたインタフェースですが、車の運転中に使うのはなかなか難しいと思います。リモートタッチコントローラは、マウスのような相対移動ではなく絶対座標です。コントローラの物理的な可動範囲が画面中のカーソルの動く範囲と一致しており、まるでタッチパネルを操作している様なダイレクト感を感じます。
吸い付きによるスピーディ・確実な操作
GUI要素への力を持った吸い付きが、ダイレクト感「狙ったところを触った感」を強力に後押ししています。
吸い付き方には2つのモードがありました。
- ボタンに吸い付き、そこ以外にカーソルが行くことはない
- ボタンには吸い付くけど、フリーで動かせる場所がある
1. ボタンに吸い付き、そこ以外にカーソルが行くことはない モード
前者は、家庭用ゲームコントローラの十字キーに近い感覚です。十字キーと違って「一気にハンドルをずらす」ことが出来るので、ボタン二つ飛ばし、といった行為を非常に正確に行うことが出来ます。これによりスピーディな操作が可能になります。
2つ目の動画で、ボタンが無い場所にハンドルを動かすと、ハンドルが自動で引っ張られて、ボタン位置に納まっていく様子が分かると思います。
2. ボタンには吸い付くけど、フリーで動かせる場所がある モード
このモードはナビゲーションのマップを操作する時などにおきます。画面の外周に並んでいるボタンにカーソル(とハンドル)が吸着するのですが、ちょっとハンドルを引っ張るとマップ上でカーソルがフリーになります。ちなみに「ボタンからカーソルが解放される瞬間の絶妙な力加減」はかなり気持ちよいです。
この状態で、ズームインの中心を選んだり、マップを上下左右にスライドさせたり出来ます。非常に直感的ですし、ボタン操作とマップ操作の行き来が非常にスムースです。
マップはぼかしました(笑)
この動画で見られる様に、ボタンが対角線上で離れている場合もダイレクトにアクセス出来るのはかなり気持ちよいです。
安心感
ダイレクト感があり、スピーディで確実な操作ができる結果、操作行為に対してかなり安心感を得られた気がしました。車の運転は高い集中力を求められ、エアコンや音楽の操作と言ったサブの操作をすることは、場合によっては大事故を招きかねません。リモートタッチコントローラの与えてくれる安心感は、このマルチタスク状態において非常に重要だという実感を持ちました。
誰かが自分の手の上から手を重ねて「ここですよ、ここ」とサポートしてくれている様な感じ、だったかもしれません///
最後に
高級車ならではのオーバーキルなインターフェースと言えばそれまでですが、初めて触ったのでかなり感動しました。車以外のコントローラとしてもかなり有用なのでは、と思います。
日本車
日本だと右ハンドルなので、このコントローラを左手で操作することになります。私は右利きなので、左ハンドルの車だともっとダイレクト感がでるのかなーと思いました。
次世代機の話
こちらのブログには、次世代のリモートタッチコントロールも紹介されています。なんとタッチパネル。あれ…?
動画を見ると、タクタイルフィードバックをウリにしていて、GUI要素のある場所に至ると振動をするのかなーと想像されます。絶対座標なのかは分かりません。これも触ってみたいです。